固定電話は使う用事がなければ解約するにこしたことはないです。まじで。
※この記事は備忘録と注意喚起を兼ねたものです。
『〇〇市の委託を受けて分電盤の点検にお伺いしております。』
このような内容の電話が最近増えているらしく、ついに我が家にも来てしまいました。来るなようるせえな。
話を要約するの以下の通り。
・最近、漏電火災が増えていることを受けて、自治体の委託を受けて点検を行っている。
・分電盤にある漏電ブレーカーと安全ブレーカーの耐用年数が超えていないか、漏電をしていないかの確認を行う。
・ブレーカーの点検のみで、他のことは一切しない。
…まあ勘のいいガキの皆様はもうお分かりだと思いますけど、これそもそも契約先の電力会社に聞けばいいだけの話なんですよね(法定点検の義務がある)。なので、わざわざ外部の業者に見せる必要性は皆無です。
ただ、この電話、どうも詐欺とかの類らしく、まともに相手をしない、というか、断るのが正解だったらしい。
個人的に興味があったので、いくつか質問をしました。
私「ブレーカーの点検と聞いたんですが、東京電力の関係会社ですか?」
女「いえ、当社は委託ではありません、東京電力とも関係ありません」
私「最初に自治体から委託を受けたって言ったのは何だったんですか?」
女「いえ、委託とは一言も申し上げておりません」
私「言いましたよね?」
女「言ってません!!!」(ガチギレ)
私「言ってないなら録音を聞かせていただけます?」
女「電話を切らないと録音は聞けないので、会社に来ていただかないと聞けません」
私「なるほど?じゃあそういうことにしてあげますよ…ところで、ブレーカーの点検とのことですけど、来るのは電気工事士資格がある人ですよね?」
女「いえ、ブレーカーの点検のみなので、電気工事士の資格は不要ですので、資格もありません」
私「見ておしまいなんですか?」
女「分電盤の蓋を開けてブレーカーの耐用年数を確認するのみなので、資格がいらない点検のみです」
私「耐用年数を超えていたら交換が必要なのにどうするんですか?」
女「交換するかどうかはお客様自身で決めていただくものなので…」←怪しさMAX
…こんな感じのやり取りをしていました。ここには書いていませんが、どういう目的で点検を行っているのか(最初は自治体の委託と言っていた)を聞いても、ずっとブレーカーの耐用年数を超えていないか、漏電していないかをお知らせするためと繰り返し、真意については話さず。普通に考えて無料で点検しますって時点で怪しさ満載なんだが。
この電話口の女、めちゃくちゃ高圧的な態度だったので、つまらなくなって「うち電力会社の人間なんで見たきゃ自分で見るし結構です、来ないでください」と言いましたが、個人情報を相手が持っているので、なんとも…という。
ちなみにその後電話を掛け直して、別の人に個人情報を削除しろと言いましたが、その人もまた対応がやたら適当で、客商売とは思えないレベル(経験者は語る)。シロート()ですねあれは…
会社の情報は以下の通り
会社・部署名:株式会社WALKS 建物管理サポート
法人番号:9020001162531 (2025年4月28日設立)
設立日:2012年??月??日 (13年前)
住所:神奈川県横浜市西区浅間町1丁目4-3 ウィザードビル402
電話番号:0120-580-233 (フリーダイヤル) / 045-834-9400 (固定番号)
HP:walks-reform.com
勘のいい皆様はお気づきだとは思いますが、法人番号設定日が実質的な会社設立日なので、創業13年も経っている会社が法人番号をたかだか1か月半前に取得しているのはおかしいです。つまり、HPの内容は真っ赤な嘘ということ。
そしてこの会社の住所ですが、この住所を検索すると出てくるのは、GMOバーチャルオフィス横浜事務所です。そう、この住所には会社の実態がありません(建物は実在する)。バーチャルオフィスなので、当然同じ住所で登記されている法人・団体も複数検索に引っ掛かります。なので、この住所に訪問しても株式会社WALKSという会社は存在しないのです。
ちなみにバーチャルオフィスを管理しているGMOインターネットサービスは、かの悪名高いお名前ドットコムの運営会社でもあるので、詐欺会社に事務所を貸すのもさもありなんという。
また、ホームページについても、それらしいホームページですが、中身が薄っぺらい個人サイトよりも中身が少ないもので、それらしさを出すためだけに作られたことが丸わかりな感じ。そもそも13年もやってるのに沿革もない、そのくせ実績は多数ある(ただし実績例は載せない)という、なかなかに冗談がきついサイトです。
翌日、再度フリーダイヤルに電話を掛けました。その時のやり取りで得た情報はこんなかんじ。
・『建物管理サポート』の電話にかけているのに、電話応答の第一声が「総合…あっ建物管理サポートです」
→ちなみに総合管理サービスという会社が存在するようですが、こちらもまた今回の電話相手と同じく分電盤の押し売り交換をする悪徳業者です。もしかしたら同じグループでやってる可能性がある。
・(電話番号検索の上で)「阿部様ですね、先日は分電盤の点検でうかがわせていただいたもので…」
→電話番号だけで顧客の名前を調べた上に相談内容・作業内容まで伝えてしまうのは完全に個人情報保護法に反する取扱いです。詐欺業者なので別におかしくはないんですが、まともな業者は電話番号だけで個人情報を伝えることは絶対に行いません。そもそもコンプライアンスが徹底されていないというより、詐欺業者にコンプラもくそもない
・「先日のお電話は、3日前の訪問の最終確認のためのお電話でして、そちらは渡辺が対応させていただいたんですが、最初のご説明のお電話は6/6にしていまして、そちらは岡田という男性から電話を差し上げております。伺ったのは遠藤という男性の者が実際に伺いまして、確認させていただいたところ、実際に分電盤が劣化しているので、お見積もりを出させていただいたものです」
→見積もりを出す、ということは点検に行くという前段階の時点では一切言っておらず、訪問勧誘販売を行う告知をしていないため、特商法に引っ掛かります。本来、勧誘販売(契約の勧誘を含む)を行う場合、必ずその目的を先に相手方に伝えなければいけないのですが、電話では一切伝えておらず、加えて訪問時にも点検後に伝えていると確定できるような説明をしていることから、完全に黒です。こんなことを大企業でやったらクビになります。
・「お住いの自治体周辺で電気火災が増えている関係で、順次点検に伺わせていただいております」→「だから先日お電話があった際に自治体の委託で回っているって話があったんですね~」→『はい、そういった事情があるので自治体の委託とお伝えしたかと思います』
→めちゃくちゃ嘘言ってて草なんだ。前日の時点では『自治体の委託とは言っていません!』『委託であるということはお伝えしないよう教育をしています』と言っていたのに、突然の手のひら返しと言うか、隠しもしていない…さすがに呆れてものも言えなくなるレベルの杜撰さである。
こういった怪しい電話勧誘は、まず大前提として家に招かないのが先決です。東京電力のような大企業が電話で勧誘販売をやっているからこういうクソみたいな詐欺業者が蔓延るので、東電はマジで反省するべき。お前らも原因の一因だぞ。
少しでも怪しいなと思ったらすぐに電話を切って個人情報を伝えないのが大事です。というか、そもそもかかってきた知らない番号の電話に初手で出てはいけません。留守番電話サービスも活用しましょう。
また、電話だろうが訪問だろうが、勧誘販売の時点で相手方に販売の勧誘を行うことを事前に告知しなければいけません。後出しで見積書を作って勧誘するのは完全にアウトです。絶対に契約してはいけません。
分電盤に限らず、電気設備の法定点検は電力会社が行います。なので少しでも不安に思うことがあれば、必ず契約先の電力会社に問い合わせるようにしましょう。